登山口に朝6時に着きたい。でもそうなると家を4時に出なければならない。だったら起きるのは3時で、今から寝たら4時間くらいしか寝れない……。あると思います!
だったら今すぐ家を出て、登山口で寝られれば一番ラクじゃん! ということで、今回は登山車中泊で必要なモノや気をつけることをお話していきます。
車中泊のメリット
一番のメリットは時間が自由になる点。登山するときって意外に時間に追われてしまいがち。
通常の出発だと、
- 前日に寝る時間
- 朝起きる時間
- 家を出る時間
- 登山口に到着する時間
をそれぞれ気にしなければなりませんが、車中泊にすれば「起きる時間」だけ気をつければいいのでラク。
今回は登山時の車中泊を想定をしています、普通の旅行でも車中泊の場合は宿泊費が節約できたり、秘密基地感があって楽しい(これが一番大事)など、メリットがもりだくさんです。
車中泊の大前提
とはいえ、マナーや防犯など、車中泊をするときには気をつけなければならないこともあります。
車中泊していい場所
「車中泊といえば道の駅」というイメージが強いですが、最近では車中泊を禁止している道の駅も増えてきました。
これは一部マナーの悪い人たちが増えていて、車中泊と言いながら駐車場にテントを張ったり、テーブルを出してBBQのようなことをしている人がいるため、道の駅側も「そんなんするならもう車中泊禁止」となっているのが実情のようです。
あくまでこの記事中で言う「車中泊」は「仮眠」の粋を出ないもので、その範疇なら許容されることがほとんどだと思います(とはいえ、不安な人は管理者に問い合わせしましょう)。
他人に迷惑をかけないというのは大前提です。BBQまがいのことをしたり、長期滞在やエンジンかけっぱなしでの車中泊はやめましょう。この辺は常識の範囲内で。
車内環境をととのえる
基本的に車は、夏は暑く冬は寒い。DIYで内装に断熱材を入れたりする人もいますが、普通の車はほぼ「鉄板でできたテント」だと思ってください。
断熱処理をしていない車では、エアコンを使っていたとしてもエンジンを切った瞬間から夏は外気温以上に上がり、冬は外気温と同じまで一気に下がります。車内で快適に過ごすためには、熱中症や低体温症に気をつける必要があります。
車中泊快適化グッズ
完全に快適に過ごすにはキャンピングカーレベルの設備が必要ですが、普段使いの車でもある程度は、以下に紹介するグッズで快適にすることができます。
これらは筆者が実際に使ってよかったと思った車中泊グッズです。どれも、これじゃないとダメというわけではなく同じ機能があればなんでも良いと思います。
基本的に100均やホームセンター、ネットで購入したもので、工具はほぼ不要です。
マット
フルフラットにできる車が増えてきていますが、本当の意味でのフルフラットになる車はそう多くはありません。ちょっとした段差があったり、一部だけ凹んでいたり、傾斜があったり。そんなときに必要なのがマット。
寝袋などを使わず家の布団をそのまま持ち込む人もいますが、下には何かしらのマットを敷かないと微妙に段差を感じてしまい快眠はできません。
あ、岩ゴツゴツのテント場でULの超うっすいマットで寝られるような人は別です。
寝心地を良くする役割はもちろん、冬は断熱の役割もあるので、例えば冬は銀マットを敷いて、その上にシュラフマット敷いて……なんて人もいます。
車をずっと車中泊仕様にしたままでいい人は、でかめのエアマットや車種専用に販売されているウレタンベッド(値段高め)なんかを導入してもいいかもしれませんね。
人気があるのがこのあたりのようです。
筆者はこれです。イスにもなるので便利。底付き感もありません。枕も連結されているので良いです。夏はこれにエアリズムのシーツをかぶせています。
カーテンやシェード
扇風機
夏場はとくに、これがないと死にます。オススメはクリップ式で、なおかつバッテリーや電池式のもの。首振り機能があればなお良し。
クリップ式だとどこにでもつけられ、バッテリー式だと取り回しがラクです。人は風を浴びないと死ぬのです。
買ってから気づきましたが筆者のは首振り機能がない……でも安いからいいか。
網戸
扇風機とセットで使うべし。窓枠にはめ込んだりするタイプではなく、単純にドアにかぶせて使うタイプです。車内は人がいるとその熱を結構溜め込んでしまうので、換気するのに必要です。DIYが得意な人は自作している人も多いみたいです。
ポータブル電源
これは筆者が欲しいものです(笑)。今は、家に売るほどあったモバイルバッテリーをいくつも持ち込んでしのいでいます。
複数個あれば、充電がなくなってしまったとしてもローテーションできるので便利です。
ポータブル電源があれば冬に冬の最終兵器、電気毛布が使えるのに……。
ゴミ箱・ゴミ袋
車中泊のときってゴミの処理に結構困ることがあるんですが、居住スペースにもゴミ箱を完備しておくと散乱しません。車内に置くゴミ箱は、走行中に転がらないよう底に重りが入っているものがベターです。
寝袋
季節によるので絶対に寝袋じゃなきゃダメ!ということはありません。家で使っている布団を持ち込んでいる人もいます。冬は無いと眠れないので必須です。
枕
意外に見落としがち。筆者はクッション兼用の枕にしています。夏は、背もたれとしても使えるように寝袋を大きめの保管袋に入れてクッションにしています。この使い方はおそらく正しくはないです。
以前YouTubeで誰かが「登山用の枕を普段から家でも使うようにしておけば、いつもの枕じゃないと眠れないということが解消される」と言っていたのですが、目からウロコです。今後登山用枕を購入するときには家でも使えるものを買おうと思っています。
ランタン
車内灯を使ってもいいのですが、消し忘れるとバッテリーあがりの原因になったりするのでできれば専用のものを。筆者は以前紹介したこれを使っています。
クーラーボックス
保冷能力があれば何でもいいと思います。ハードタイプとソフトタイプがありますが、ピンキリあるとは言え基本的にはハードタイプのほうが保冷力があります。車が小さい場合は省スペースでソフトタイプの折りたたみでいいかもしれません。
サンダル
ちょっとトイレに行きたいときに重宝します。100均ので十分。
携帯トイレ
車中泊する場所にトイレが無い場合、その辺でしちゃうのは道徳的にNG。きちんと処理できる形でしましょう。
テーブル
車内で何か作業しなければならないとき、テーブルが一つあると便利。運転席では下記を使っています。
後部座席では、登山兼用のこちらを使用しています。軽い。
夜間に駐車場に行くときに気をつけること
ケモノが飛び出してくる
登山口駐車場はたいがい住宅街ではなく、山道を登っていったところにあったりします。夜行性の動物がけっこういますので、スピード出していると急に飛び出してきたときに対処できません。
ちなみに筆者は夜中に道路のど真ん中で休憩中のシカに出くわし、心臓が飛び出るかと思いました。他にもタヌキ、イノシシ、サルなどに遭遇するので注意深く進みましょう。
車が複数いる場合は騒音に注意
すでに何台か駐車していた場合、中では人が寝ています。話し声を抑えるのはもちろん、ドアを頻繁に開け閉めするだけでもかなり音が響いてうるさいので、最大限の注意を払いましょう。それがマナーです。
トイレがない、使えないことも多い
コロナ禍でもあり、トイレがあったとしても封鎖されている場合があります。こういった場所で先に紹介した携帯トイレが役に立ちます。くれぐれもその辺でしないように。もし大きいほうを催してしまった場合は、思い切って一旦コンビニまで戻ったほうがあとの憂いが少ないです。
まとめ
これまで車中泊を快適にする方法を紹介してきましたが、ちゃんと眠れないと次の日の山行が危険。ちゃんと自分的に眠れる環境を作ってから、車中泊に臨むことをオススメします。
家の駐車場で練習するのもいいかもしれません。安心安全に、車中泊ライフを!